ミュージアムの演出を勝手にちょっとだけレポートしてみた。vol1
実は僕、展示のデザイナーやってるんです。
そこで、テーマ『エン』に掛けていろんな施設の“演出”を僕なりに勝手にレポートしてみようかなと思います。
展示を作るデザイナーの、見る視点とか、偏屈な感じとか、なんかそんなところも楽しんでもらえると幸いでございます。
まず、展示のデザインって何かといえば、“何かを魅力的に伝える為にどうするか”を決めるお仕事です。
何を展示するか。
それで何を伝えたいか。
はたまた、
今こんな悩みがあってそれを改善したい。
そんなかんじの”与件(よけん)”と呼ばれる事を深掘りしながら、コンセプトを決めてデザインしていくわけです。そしてみんなの目に見える形でアウトプットされるんです。
ピックアップ2選
このシリーズでは、最近見て面白かったこの2つを取り上げてみたいと思います。今回は①の展覧会についてレポって行きます!
①東京都庭園美術館 展覧会「開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z」
②品川区立環境学習交流施設「エコルとごし」
展覧会の概要
割と僕の勝手な妄想と設定でお話ししちゃうわけですが、今回のテーマは、会場となる「庭園美術館の歴史を40周年を記念して振り返る展示」
皇族の邸宅として、世界有数の技術を詰め込んで建てられたこの館は、時代とともに迎賓館となり、そして今の美術館へと変わって行った。そんな歴史を辿る展示というのがあらましになるわけです。
そして、その変遷の中に、何故、こんな美しい建築が誕生したのか。どんな暮らしがそこにあったのか。人と空間がどのように繋がっているのか。などなど、
単に歴史をみせる展示ではなく、「そこでの営みを会場を通して実際に体感して貰う」というのが今回の大きなコンセプトなのかなと、思いました。
ここから展示の演出についてご紹介!
①めちゃイケな什器デザインと会場構成
まず初めに目に飛び込んでくるのがこの什器のデザイン。※展示台の事を什器(じゅうき)って呼びます
単純にめっちゃイケてますよね。
これ、少し深掘りするとすると、、
庭園美術館の建築様式アール・デコもモチーフにしているんだと思います。特徴として“線や記号、幾何学的な模様”を取り入れたデザインとよく言われるのですが、その特徴を今っぽく取り入れためちゃイケなデザインです。
そして、それが形の大小はありつつも、同じデザインで統一された什器が会場のあちらこちらにアトランダムに設置されています。
エントランスや浴室、寝室、廊下、広間、などなど。
それを巡っていくように見ていくんです。そんな体験が前記したコンセプトに沿っててすげぇいいわけです。
あまり語りすぎると野暮ったいので控えたいところですが、本館では実際に巡る体験を重視した展示をして、別館で歴史全体を大きな視点で概観してジブンゴトにしてもらうような展示ががありました。この会場構成と体験の計画もよく出来てるわけです。
②めちゃカワなサイン計画とグラフィックデザイン
そして今回なんといってもグラフィックデザインが他とは一線を画す演出でした。
実はさっきお話しした什器の上にはこんな感じの持って帰れるカードが設置されてます。
実はさっきお話しした什器の上にはこんな感じの持って帰れるカードが設置されてます。
めちゃめちゃ可愛い。
表がイメージビジュアル、裏が解説になってます。この演出が今まであまり無いんです。
そもそも展示ってたくさん伝えたいことがあるから文字たくさんの解説パネルが出てきがち。
それを極力無くしているのがかなり熱い。
大人の事情が大きく絡むのでなかなかそうならないのが実情でございます。
そしてサイン計画。
什器ごとにアルファベットが振られてます。
デザインとしてもすげーかわいい
ただ最初アルファベット順にAから Zまでを巡るものかと思っちゃってましたが、そんなことはなかったようで、
それぞれのコーナータイトルの頭文字がサインとして印字されていました。
理解すれば情緒的ですげー良いんですけど、サイン計画としては少し攻めすぎてる気もしました。普段真面目に展示計画しすぎてるのかな??
実はこれ、日本デザインセンターという、
超有名なデザインの制作会社がプロデュースしてます。特に広告系、グラフィックやサインが強いイメージ。最近はこんな感じで話題性の高い展覧会で目にすることもしばしば。
元々の文脈が違うデザイナー集団が手掛ける展覧会はどこか、表現のアプローチが違ったりしてて面白い。コンセプトは共通してたとしても表現は無限だなぁと学ばせてもらいました。
まとめ
今回の展示を僕なりに整理するならこんな感じかな。
とまぁ、なんかこんな感じで展示を見たりしてるわけです。職業病というやつかもしれません。でも大事なんですよ?
次回は②の『エコルとごし』レポってみたいと思います。こっちはまちの交流施設で、自然をテーマにした展示があったりします。
子供達がすげぇ楽しそうにしてたのが印象的でした。お楽しみに!
Writer:ぺ
2024/6/9



